Hello, Woods

This blog shows you what Umegane woodworks does

近代建築

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こんにちは♩
最近は壁や床のお仕事が連続して続いております。

どんな業種もそうだと思いますが、不思議とお仕事には波とパターンがありますよね。以前私が携わっていた森林生態学の研究のパターンなんかとも似てたりと、面白いですよね。

それはさて置き、基山町文化遺産とも言える建築の床工事をご紹介です。

1915年創業の製薬会社、西海製薬株式会社様からのご依頼で、これまでも内装から外壁、屋根までお仕事させていただいておりますが、今回はガラス窓から壁への変更と和室の畳を板張りにということでお仕事をさせて頂きました。建物が長崎街道沿いにありまして、まさに大正の近代建築でいい感じなんです!!

上の写真は工事前の畳を撤去した状態。下地は杉板ではなくコンパネで改修されてました。一見、真っ平らに見えますが古い建物で狂いが激しいので調整しながら新たに下地を作ります。そして、床板は他の部屋に合わせて杉材(節あり、植物性自然塗装)です。

新築や比較的最近の建築の工事もいいですが、やはり築50年以上の建築のように古い建築の工事は頭を悩まされることが多い分、達成感も違います。

古い建築から最新の建築まで携わる私どもにとっては、孔子さんの「古きを温ね、新しきを知る」を胸に刻んで仕事に励みたいと思います。

 After

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古民家に命を

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基山のお隣り、福岡は小郡の古民家です。

上の写真は改装前。もう床も畳は腐り、根太もボロボロでした。

しかし、とてつもなく雰囲気がいいんです。古くても全てが自然素材のせいか歴史や味がなんとも言えない雰囲気を作り出してます。漆喰と泥壁のおかげでエアコンが効いてるかのように涼しいんです。少し掃除してアンティークのテーブルとイスを置けばすぐに隠れ家的古民家カフェになりそうです。話を聞くと材木は全て基山の山から切り出して馬車で運搬したそうです。すごいですね。本当に理想的な材の使い方です。

そしてもう一つ驚かされたのが建具は全て埋金木工の創業者で私の祖父である埋金信義の作品でした。50年以上経っても狂いも無く立派に建っており、久々の再会に興奮しました。

それはさて置き今回の作業内容です。できるだけ雰囲気を残す方向で工事を行います。

  • 押入れを解体し杉板で床を張り替える。その際、根太を倍の本数に増やし強度を高める。
  • 押入れはクローゼットに変更しパイプハンガーと新たに高さを変えた中段を設置。扉も新たに作製。
  • 外に面する木製ガラス戸は泣く泣くペアガラスのサッシに取り替え。できれば残したかったのですがお客様が快適に生活するためには必要不可欠でした。
  • 漆喰壁の補修。新築の白さに戻します。
  • 床を畳から九州産ヒノキの板張りへ変更。ヒノキは雰囲気に沿って飽きの来ない節ありを選択しました。
  • 床の下地は高さ調整をきっちり行い、根太も全て新品の杉材に交換。

といった感じで作業を行い、あとは細かい調整やメンテナンスです。

                                  

After

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完成後、この空間で足を伸ばしお客様と飲んだお茶は非常に美味しかったです。

雨樋、雨水パイプ詰り修理

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是非多くの方に知ってもらいたい設備関係の工事がありましたのでご紹介します。

今回は雨水の配管の詰り修理ですが、、、庭木、生垣の根っこが雨水パイプと雨樋に侵入し完全に詰まっておりました。結果、縦樋からは雨水が吹き出し、地面に落ちた水も敷地内に溜まるといった状態です。

ただ、それだけならいいのですが、雨樋が詰り外壁や屋根の隙間などに直接水が流れたり、敷地内に雨水が垂れ流し状態になると以下のようなリスクが非常に高くなります。

  1. 雨樋が正常に機能しないことで屋根や外壁に溢れた水が直接流れることによって内部へ侵入し外壁材や構造材などを侵食する。(この際、居住空間まで水が達しないこともあるので発見が遅れるので注意。)
  2. 地中の雨水パイプが機能しなくなることで基礎内への水の侵入や、敷地内の土壌含水率が高くなることによる床下部分の湿度上昇などにより床下の腐れや外壁内部の結露などを発生させる。
  3. 床下内の湿度上昇によってシロアリや害虫の発生確率が急激に上昇する。

今回の工事では家の周り全ての配管を掘り起こし根っこの除去と再度の侵入を防ぐために溜桝のパイプ周辺をしっかりとモルタルで補修しました。除去した根の長さは40m以上。。。見た目もまるで大蛇のような根っこです。。。丸々2日かけての穴掘りと根っことの綱引きは過酷でした。。。

皆さんも年に一度は家の周りの溜桝のチェックと掃除を忘れないようお勧めいたします。そうすれば修理とお金の心配がグッと下がります!!お家も生き物のようなものなので時々は具合をチェックしてあげてくださいね♩

 

ステンドグラスのオーダードア

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ちょっと珍しいオーダードアの作製。

普段から多くのオーダードアを作製しておりますが、今回はかなりこだわりを感じるご注文を頂きました。お客様が長年ステンドグラスをやられておりましてその力作を入れ込むドアで、且つネコちゃんの出入り口も完備です!!

ステンドグラスの作品は保護と強化も兼ねて3mm厚のガラスで挟み込んでおりますが、何といっても作品完成までに3カ月かかるそうで取り付けの際は非常に緊張いたしました。お客様にも喜んでいただき私どもも嬉しく思っております。この度はご注文ありがとうございました!!それにしても、ステンドグラスというのはアート作品でありながら窓やランプなど飾るだけではなく実際に日常の生活で活躍させることができるのも魅力ですね!!自分の作品をオーダードアに入れ込み、自分も楽ししむことができ、尚且つそれを家族や客人の方なんかとも実際にドアとして使うことで共有できるって最高の贅沢かもしれません。素晴らしいですね!!

そして、もう一つのポイントがネコちゃんの通り道。ネコ外出禁止令の際や冷暖房を使用する際はドアと同じ柄の板を落とし込んで通り口を塞ぐことができます。さらにさらに、将来的に板の変わりに5mm厚のステンドグラスを差し込むことも出来るよう設計しておりますのでデザイン的にも非常に面白いですね!!

ドアに関してはオーダーと既製品、実はそんなに値段は変わらないですよね。もちろんオーダーが高い場合が多いですが、既製品の値段がもともと高いんです。ドアって意外と値段します。。。こうなってくると遊び心を持ってオーダーにするっていう選択肢も選びやすい時代になってきたのかもしれませんね。

床材いろいろどれにする?

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こんにちは♩
ちょっとうちの棟梁がお休みで時間があるうちにブログ、ブログということで少し床材の話でも。床材と言っても私どもは合板フローリングは大嫌いなので無垢材メインでお話を。もちろんお客様のご予算や用途に合わせて合板フローリングも多種多様に使用しておりますがお勧めはやっぱり無垢材ですね!!

普段は私どものコンセプトに沿って針葉樹のスギ、ヒノキ、マツなどを中心に使用しておりますが正直好みでいうと広葉樹のナラ材なんかも好きなんですよね。まぁ、どちらも大好きなんです。例えるなら焼肉とステーキどっちが好き?どっちも好き!!と言った感じです。選べないです。

そこで今回は広葉樹の床材もお勧めですよ!!ということでご紹介します。

実際に肌で触れるとヒノキやスギに比べると硬く冷たいですが材の持つ表情や独特の雰囲気が面白いですね!!

 

写真左上:ナラ(粘りがあり木目もバランスがいい)

写真右上:クルミ(木目や色にムラがあり荒々しく飽きがこない)

写真左下:チーク(少し割高。油分が多く水に強い。経年変化で色が濃くなる)

写真右下:ナラ材オイル仕上げ(実際の施工例 佐賀県基山町のハンドメイドショップ&カフェ TSUKURUさん http://tsukuru.businesscatalyst.com/

 

ちょっと写真では分かりづらいですが私のお勧めはこの3種類です。最近はクルミの独特な感じがお気に入りです。

皆さんも床の張替えの祭は合板フローリングに比べ少し割高ですが是非無垢の床材であれこれ迷ってみてください♩きっと楽しいですよ!!

 

 

濡れ縁ウッドデッキ

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濡れ縁のデッキのリフォームです。

元のデッキは杉材で表板に腐りが出てきています。こまめに塗装のメンテナンスをすれば10〜20年保つのですが、生活してるとなかなか時間もなくてメンテナンスできないんですよね。。。そこで今回新しく製作するにあたって材料は土台部分にチェンガル材、表板には皆さんもよく目にするスターバックスなんかのテラス席に使用されるバツ材を使用しました。非常に値段も高い分、重くて硬くて水にとっても強いんです!!しかも抗菌作用もあるようなので腐れにくいですね!!

お値段はそれなりにしますが、耐久年数とメンテナンスの負担を考えるとお客様にも喜んでいただけると思います。また経年変化でだんだんと色もグレーっぽく変わっていくので、その木材独特の変化も楽しんで頂けたらと思います。アルミや樹脂のデッキも最近では人気ですが、どうしても無機質な感じで存在が浮いてしまうこともあります。しかし木材だと時間とともにその家々に馴染んでくるのがやっぱり魅力ですね!!

見えない部分が大事!!

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こんにちは。

今回は比較的重要な内容でして、床張り替えのリフォームでの出来事をご紹介させて頂きます。

当初は脱衣の床がちょっとブカブカするとのことだったので家もそんなに古くないし、外観も内装も綺麗な状態だったこともあり「合板が湿気で劣化してるんだろうから合板を取り替えて床張れば大丈夫!」と思っていました。しかし、開けてびっくり!!大引が腐ってボロボロに。。。大引とは非常に大事な部材で床の重みを支える大元の部分になります。重症です。。。

床の張替えの場合、普通は大引と根太は大丈夫なので表面の床材を張り替えるのですが今回は大引、根太、床と交換させて頂きました。

特に大引は作業場にて新しく作り直し、たっぷりと防腐剤を染み込ませ元どおりに叩き込んで念入りに仕上げました。やはり施工が終わると見えなくなる部分なので工事途中でしっかりとお客様にも目視で確認してもらい構造的にも精神衛生的にも安心を生む必要がありますね。

ここまで重症なのは稀ですが、もし家の床がブカブカするとか、腐りがあるなどといった症状にお気付きの際は出来るだけ早めにご連絡ください。